2019年9月号

 
 

算定:在宅成分栄養経管栄養法指導管理料

   在宅経管栄養法用栄養管セット加算

  

「在宅成分栄養経管栄養法指導管理料」の要件

人工栄養剤について:要件を満たす人工栄養剤(商品名)は、エレンタール、エレンタールP、ツインラインのみです。

病名:胃瘻造設状態、経口摂取困難

カルテ記載例

・使用薬剤・・・エレンタール

  ・指導内容・・・経口摂取ができないときはエレンタールを注入する

処方例:エレンタール配合内用剤 240g 1日3回 食事として 7日分

カルテとレセプトに必ずエレンタールを使用した病態について記入しています。

在宅成分栄養経管栄養法指導管理料の対象となる栄養剤は、本来手術後の回復を主目的に処方されるべきものです。

(例 エレンタールの添付文書より

(1) 未消化態蛋白を含む経管栄養剤の適応困難時の術後栄養管理

(2) 腸内の清浄化を要する疾患の栄養管理

(3) 術直後の栄養管理

(4) 消化管異常病態下の栄養管理(縫合不全、短腸症候群、各種消化管瘻等)

(5) 消化管特殊疾患時の栄養管理(クローン氏病、潰瘍性大腸炎、消化不全症候群、膵疾患、蛋白漏出性腸症等)

(6) 高カロリー輸液の適応が困難となった時の栄養管理(広範囲熱傷等))


「保険がきく栄養剤」=「コストと患者負担が安い」というのが医療者の認識ですが、本来嚥下困難で経口摂取困難な状況だけなら、本来は市販の栄養剤を用いなくてはならないのです。

在宅成分栄養経管栄養法指導管理料は高額であるため、今後は支払い側も、病態や適応を厳しく査定する可能性があるかもしれません。

算定:経管栄養・薬剤投与用カテーテル交換法

   インジゴカルミン注射液、交換用胃瘻カテーテルも同時に算定します。

インジゴカルミン注使用にあたっては、レセプトコメントに使用法を記入します。

また、超音波検査についてのコメントも記入します。

「経管栄養カテーテル交換法は、胃瘻カテーテル又は経皮経食道胃管カテーテルについて、十分に安全管理に留意し、経管栄養カテーテル交換後の確認を画像診断又は内視鏡等を用いて行った場合に限り算定する。なお、その際行われる画像診断及び内視鏡等の費用は、当該点数の算定日に限り、1回に限り算定する」とされている。

ガストログラフィンを用いたレントゲン検査、内視鏡での確認を想定しているが、在宅では実施不可能である。腹部エコーでの確認(間接的な確認)も画像診断として認められることもあり、当院では算定している。

胃瘻ボタンは、バルーン式なら1ヶ月、バンパー式なら6ヶ月程度の交換が基本。バルーン式の方が合併症のリスクが低いが、ゼロではない。バルーン式の胃瘻ボタンは9900円、バンパー式は22800円程度である(当院の場合)。

当院ではガイドワイヤー付きのバンパー式胃瘻ボタンを使用している。

C105-3 在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料


平成30年度改訂で新しくできました。

胃瘻造設後1年以内の患者で、経口摂取の回復に向けた指導を行っているものに対して、1年を限度として、算定できます。市販の半固形状の流動食が使えます。


商品名の例:

医薬品では、ラコールNF経腸栄養用半固形剤

市販の食品では、メイグッド(明治)、カームソリッド(ニュートリー株式会社)

出典


レセプト記載事項:

①胃瘻造設日及び、初回算定日

②薬剤の場合、薬剤の総点数、所定単位当たりの薬剤名及び支給量

③市販の場合、製品名