2019年7月号

 
 

家族面談で大事なこと2つ。(当院の場合です)


①同意書をもらうにあたって説明すること。

1.月一回以上定期的に訪問診療すること。

2.保険診療の一部負担金額とその目安。

3.交通費が自費であること。

4.個人情報の取り扱いについて。

5.支払い方法は口座振替であること。(当院の場合です。事務員は往診に同行せず、医師は全くお金のやりとりをしないと決めています。)

②家族の気持ちの確認。ご家族間で意見がまとまっていない場合、皆さんに医院までお越し頂いて家族面談を行うことがあります。医師のリードで話し合いが行われ、よい決断がうまれることが多々あります。家族形態は様々なので、臨機応変にそして丁寧に対応しなければなりません。ご本人とご家族それぞれの気持ちが同じ方向を向くことを目標とします。

病院の地域医療連携室から紹介があった時にまず確認すること、3つ。(当院の場合です)


(1)「ご住所は?」訪問の範囲は○○町〜○○町までと、おおよそ決めています。範囲外の方ですと、スケジュール的に無理な場合もあるので、最初に住所を聞いてから次の話へ。(保険請求上のルールは16kmまで。特別な理由がある場合は、それ以上でも可能。例えば専門的な治療など)


(2)「ご病名は?」当院は緩和ケアが専門なので、癌の方優先でお受けしています。その他のご病気の方の枠は一杯になりがちですので、少々お待ち頂くこともあります。癌の疼痛に苦しんでいるなど緩和ケアを必要とする方がたくさんいらっしゃるので、緩和ケア医として少しでも専門的な知識を提供して差し上げたい気持ちです。


(3)「ご本人とご家族は、訪問診療を希望されていますか?」訪問診療の開始要件の一つです。往診、訪問診療を希望していることを確認してから、話を次に進めます。もちろん、何をどうしてよいか迷っている方が多いのですが、例えば、家で療養する気がまったくない方もいらっしゃいます。そのような場合、紹介もとである病院の連携室から、改めて他院やホスピスを紹介してもらうようアドバイスして家族面談を終了することもあります。

退院時共同指導(別紙参照)

指導内容を書面にして患者に渡し、カルテにも貼付。サンプルはこちら

算定:退院時共同指導料1

算定:「退院時共同指導料」を算定したので、初診+往診ではなく、「C001 在宅患者訪問診療料」を算定します。さらに、診療時間が1時間を超えたため、「診療時間加算・・100点」が算定できます。(診療時間が1時間を超えた場合30分又はその端数を増す毎に算定)

在医総管は、C001在宅患者訪問診療を月に1回以上(往診はカウントしない)で算定できます。(2018年より月1回でも算定できるようになりました)

在宅医療の場合、呼吸停止する瞬間に立ち会うことは、現実にはほとんどありません。また心停止、呼吸停止、瞳孔散大を死の三徴候として確認しますが、死亡確認の方法について、具体的に手順を明記された根拠はありません。(医師法にも定められていない。例外として臓器移植法臓器の移植に関する法律施行規則には定められています)

ですから、医師は呼吸停止の瞬間に立ち会うことは求められていません。また呼吸停止から、死亡確認までどのくらいの時間以内に死亡確認するべきかを決めたものもありません。

在宅でも、病院でも深夜に死亡した場合、翌朝に死亡確認することに全く問題はありません。