開始要件:在宅で療養していて通院が困難な患者さん。

訪問診療・・・患者の同意を得て計画的な

医学管理の下に定期的な診療を行うこと。

往診・・・患者からの求めに応じて診療に

赴くこと。

算定:往診料+再診料(初診料)

生活保護の人の診療には、役所の生活保護課から「生活保護法医療券」を発行してもらう必要があります。本来ならば家族が用意するべきですが、医院から直接請求することもよくあります。患者本人から生活保護課の担当者の名前を聞き、電話またはFAXで医療券の発行を要求します(丁重にお願いした方が結果的に早い)。いつから診療が始まるか、聞かれます。場合によっては医療要否意見書の提出を要求されます。訪問看護や訪問薬剤の要否意見書を書くこともあります。

算定:初回訪問日は、往診料+初診料。

初月の在医総管の算定は、初診 + 訪問診療 1回で算定できます。(退院時共同指導は、初診と同じ扱いになります。したがって、退院前カンファレンス+訪問診療1回でも在医総管を算定できます。)

業者に患者さんの住所氏名連絡先を知らせて、酸素の設置・説明をしてもらいます。医院は指示書を作成。

病名:慢性閉塞性肺疾患、慢性呼吸不全 

←算定:在宅酸素療法指導管理料(その他)ほか4点セットを算定。酸素飽和度記入が必須。レセプト参照

注意

在宅酸素濃縮機をレンタルできる会社と別途事前に契約し、1ヶ月当たりのレンタル料を決定しておく必要があります。

紹介元病院が、入院時に在宅酸素をすでに指示いて、その業者がクリニックと契約していない会社の場合は、新たに契約を交わすか、クリニックの契約している会社に変更する必要があります。退院までに紹介元病院と協議する必要があります。

また在宅酸素療法指導管理料の算定は、退院した月はどちらの病院が算定するかを協議する必要があります。通常は指示した病院・クリニックが管理料を算定します。しかし、同時に2つの病院が算定することも可能です。その場合は、レセプトの摘要欄に算定理由を記載しています。(例; 退院後は実質当院のみの診療で、在宅酸素に関する指導は全て当院で実施している)当然、指導料が倍かかりますので、保険と患者さんには負担が大きくなります。

注意

医師から、酸素の取扱について説明、指導する義務があります

患者さんに渡す必要書類 ①訪問診療同意書 兼 在宅医療申込書(家族の代筆でもよい)②1か月の訪問日予定カレンダー ③在宅医療計画書(主たる病名と、どのような診療を行うかを記載)④緊急時の連絡先 ②③④は1枚にまとめると合理的。

介護保険を使ってサービスを受けている患者さんには「居宅療養管理指導料」が月2回算定できます。その際「居宅療養管理指導書」を月2回、担当ケアマネージャーにFAXします。内容は、①居宅介護支援事業者に対する、居宅サービス計画作成等に必要な情報提供。②利用者及び家族等に対する、居宅サービスを利用する上での留意点、介護方法等についての指導・助言。です。

生活保護法医療券とはまた別の「生活保護法介護券」が必要です。

同意書のサンプル28_ping_cheng30nian_ban_zai_zhai_shi_yi_xue_zong_he_guan_li_liaozai_zhai_suan_su_liao_fa_zhi_dao_guan_li_liaosheng_huo_bao_hu78sui_nan_fei_qi_zhong_files/sample1.jpg
計画書のサンプル28_ping_cheng30nian_ban_zai_zhai_shi_yi_xue_zong_he_guan_li_liaozai_zhai_suan_su_liao_fa_zhi_dao_guan_li_liaosheng_huo_bao_hu78sui_nan_fei_qi_zhong_files/sample2.jpg

平成30年度よりターミナルケア加算の中に、在宅酸素の使用が明記されました。

「がん患者に対して酸素療法を行っていた場合は酸素療法加算として2,000点を更に所定点数に加算する」とされ、今までの在宅酸素療法指導管理料よりも、かなり低い点数が設定されました。

つまり、クリニックに不利な点数となったのです。

2,000点ではどの業者とも酸素濃縮器の月あたりの使用料を支払いきれなくなるため、がん患者の最後の月のみ在宅酸素を使用するときには、クリニックから費用の差額を負担することになります。(どんなに安い契約でも、月あたり20,000円のでは無理でしょう。もしできるとしたら、業者が赤字となるのではないかと思います)

現時点で、がん患者の終末期の状態(寝たきりの状態)で酸素飽和度が低いのみで酸素吸入をしても、QOLの向上や呼吸困難の緩和に反映するかどうか確かなエビデンスはありません。