2014年9月号

 
 

家族面談で大事なこと2つ。(当院の場合です)


①同意書をもらうにあたって説明すること。

1.月二回以上定期的に訪問診療すること。

2.保険診療の一部負担金額とその目安。

3.交通費が自費であること。

4.個人情報の取り扱いについて。

5.支払い方法は口座振替であること。(当院の場合です。事務員は往診に同行せず、医師は全くお金のやりとりをしないと決めています。)

②家族の気持ちの確認。ご家族間で意見がまとまっていない場合、皆さんに医院までお越し頂いて家族面談を行うことがあります。医師のリードで話し合いが行われ、よい決断がうまれることが多々あります。家族形態は様々なので、臨機応変にそして丁寧に対応しなければなりません。ご本人とご家族それぞれの気持ちが同じ方向を向くことを目標とします。

病院の地域医療連携室から紹介があった時にまず確認すること、3つ。(当院の場合です)


(1)「ご住所は?」訪問の範囲は○○町〜○○町までと、おおよそ決めています。範囲外の方ですと、スケジュール的に無理な場合もあるので、最初に住所を聞いてから次の話へ。(保険請求上のルールは16kmまで。特別な理由がある場合は、それ以上でも可能。例えば専門的な治療など)


(2)「ご病名は?」当院は緩和ケアが専門なので、癌の方優先でお受けしています。その他のご病気の方の枠は一杯になりがちですので、少々お待ち頂くこともあります。癌の疼痛に苦しんでいるなど緩和ケアを必要とする方がたくさんいらっしゃるので、緩和ケア医として少しでも専門的な知識を提供して差し上げたい気持ちです。


(3)「ご本人とご家族は、訪問診療を希望されていますか?」訪問診療の開始要件の一つです。往診、訪問診療を希望していることを確認してから、話を次に進めます。もちろん、何をどうしてよいか迷っている方が多いのですが、例えば、家で療養する気がまったくない方もいらっしゃいます。そのような場合、紹介もとである病院の連携室から、改めて他院やホスピスを紹介してもらうようアドバイスして家族面談を終了することもあります。

退院時共同指導(別紙参照)

指導内容を書面にして患者に渡し、カルテにも貼付。サンプルはこちら

算定:退院時共同指導料1

算定:「退院時共同指導料」を算定したので、初診+往診ではなく、「C001 在宅患者訪問診療料」を算定します。さらに、診療時間が1時間を超えたため、「診療時間加算・・100点」が算定できます。(診療時間が1時間を超えた場合30分又はその端数を増す毎に算定)

在医総管は、C001在宅患者訪問診療を月に2回以上(往診はカウントしない)で算定できます。訪問診療1回、往診1回では算定できません。

ですからこのケース場合、在医総管ではなく、在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定します。

109 在宅寝たきり患者処置指導管理料 1050点

カルテへの記載事項:自宅での生活指導内容の要点。

対象となる処置:創傷処置、気管内ディスポーザブルカテーテル交換、皮膚科軟膏処置、留置カテーテル設置、膀胱洗浄、導尿(尿道拡張を要するもの)、鼻腔栄養、ストーマ処置、喀痰吸引、介達牽引、消炎鎮痛等処置

なお、在医総管と併算定は不可です。


診療報酬平成26年4月改訂前は、「訪問診療」1回と「往診」1回で「在医総管」を算定していましたが、改訂で、「往診」はカウントできないことが明記されました。それぞれの施設基準によって、また処方箋の有り無しでも点数は違いますが、当院の条件で以前よりどのくらい減収になるか計算してみました。(在宅療養支援診療所、病床を有しない場合、院外処方なし、です。)

002 在宅時医学総合管理料(院外処方なし)・・4900点なので、C109 在宅寝たきり患者処置指導管理料・・1050点との差を単純に計算すると3950点減収になります。(レセプト参照)